武将たちが争った信仰の城と山
山陰地方(島根県と鳥取県)の中心に位置するこの地域は、日本古来の歴史、文化、自然の魅力が詰まっています。
ここには1500年以上の歴史を持つ出雲大社、国宝に指定された松江城、世界中で人気を博している抹茶、そして美しく繊細な和菓子があります。さらに、宍道湖、中海、日本海といった美しい自然の風景、新鮮な食材、温泉も楽しめます。日本の真髄を語るなら、山陰まんなかを訪れる理由が数多くあります。
戦国時代から江戸時代にかけて築かれた三つの城の歴史を知るには、松江城、米子城、月山富田城と、それらを守る霊峰を訪ねるのが一番。なぜそこに城が築かれたのか、その理由がわかるでしょう。
松江城に向かう前に、近くにある松江歴史館で町の成り立ちを探ってみましょう。町のジオラマ模型を見ると、1611年に堀尾吉晴が築城した当時の姿と現在との見分けがほとんどつきません。城は平地に築かれ、防御を強化するために周囲を堀で囲まれています。
松江城は5階建てで、急な階段を最上階まで登ると、城から宍道湖が一望できます。
翌日は南下し、安来市広瀬町へ。富田川(現在の飯梨川)を越えた山の頂上には石垣が見られます。これは戦国時代に有名だった山城の一つ、月山富田城の遺構であり、15世紀から16世紀にかけて最大勢力を誇った尼子氏の本拠地でした。また、他の氏族との戦いの場所でもあります。
最も遠い入口は本丸(城の中心部)から約1時間離れています。道はよく整備されていますが、急な坂道なのでかなり疲れます。
坂を降りた後は、さぎの湯温泉の宿泊施設へ。近くの足立美術館には、有名な芸術家によって創られた現代日本画、陶磁器、屏風など、約1500点の美術品が収蔵されています。その壮大な日本庭園は、雑誌「Journal of Japanese Gardening」によって20年以上連続で日本一の庭園に選ばれました。
温泉でゆっくりした後は、次の目的地は米子。中海の湖畔から遊覧船に乗って米子城を眺めるのもおすすめです。米子城は毛利氏の武将・吉川広家によって建てられました。中海の水を内堀に引き、山頂に五層の天守を建てた、山陰随一の堅固な城と言われています。
現在の姿からはわかりにくいかもしれませんが、今も残る高い石垣をじっくり見ると、城がどれほど大きかったかを想像することができます。本丸の頂上(高さ90m)からの眺めは、非常に広く、息を呑むほどの絶景です。
最後のチェックポイントは、開山1300年を迎えた大山です。大山の中腹に大山寺があります。夏は山間部と低地の寒暖差が最も大きくなります。山全体がパワースポットなので、どこにいても大自然からパワーを得ることができます。
大神山神社奥宮へ続く石畳の道は、まるで神秘的なタイムトンネルのようです。
奥宮の横には登山道の入り口があり、登山者はまず参拝してから出発します。武士たちも賞賛したその景色は、あなたの期待を裏切りません。