山陰まんなかを巡る旅

古い町並みを散策

山陰まんなかは有名な観光地松江や境港で知られていますが、趣のある歴史的な町も数多くあります。
その中には、城の周りに発展した城下町や、港の周りに発展した港町があります。さらに、重要な人々や物資の交通路であった街道の途中には、旅人が宿泊や休息を取ることができる宿場町があります。

米子空港からまず向かうのは、兵庫県姫路市と島根県松江市を結ぶ出雲街道沿いの宿場町、根雨(ねう)です。この町は江戸時代(1603年 - 1868年)に栄え、その名残を今も見ることができます。その一つに、鉄産業で繁栄した「近藤家住宅」があります。もう一つは、参勤交代で参勤交代で大名が泊まった「本陣の門」です。
「たたらや」というそば屋は、格子戸が特徴的で町並みに溶け込んでいます。蕎麦は、地元日野町産の蕎麦を使用し、挽きたて、打ちたて、茹でたてにこだわっており、上品な香りが食欲をそそります。そばの収穫時期は12月で、その時がそばが最も美味しい時期です。
11月から3月の間に旅行する場合は、この宿場町の近くを流れる日野川に立ち寄ることもできます。この時期、色とりどりのオシドリが川沿いで休憩しています。1月から2月にかけて、この鳥の数は1000羽に達すると言われています。これらの警戒心の強い鳥を見るのに最適なのは、専用の野鳥観察小屋から観察することと、夜明けと夕方遅くに観察することです。

【左】根雨宿(宿場町)は、約500メートルにわたって古い町並みが続く
【右上】鴨せいろそば 1050円(手前)となめこたっぷりの温かい「なめこそば」950円(奥)
【右下】オシドリ:オスは色鮮やかで少し大きい。メスは灰色

町の中心から徒歩5分の場所にある「古民家沙々樹」での滞在を楽しむことができます。古民家は伝統的な日本の民家です。この家は1829年に建てられ、母屋、離れ、蔵は文化財として登録されています。滞在は一組限定で最大5人までです。自炊するためのキッチンがありますが、2食付き(13000円)での滞在もリクエストできます。オーナーの佐々木彬夫さんは、町を巡るガイドツアーや古民家でのイベントも企画しています。
夕食は古民家ならではの体験ができます。囲炉裏の真っ赤な炭火で炊いた鍋料理には様々な食材が含まれ、特に野菜が豊富です。お風呂は薪で沸かしたお湯で身体が温まります。

【左】「古民家沙々樹」(右が宿泊棟、左が蔵)
【右】囲炉裏で鍋を準備する佐々木彬夫さん

島根県への峠を越えると、次の目的地である山間の小さな城下町、母里があります。かつては松江藩の支藩が支配していましたが、当時は城は築かれていませんでした。百年前に建てられた家々が立ち並び、その入り口には時を告げる木造の櫓が立っています。
水路と白壁の蔵が並ぶ通りを歩いていくと、「別邸 母里」という武家屋敷を改装したレストランがあります。重厚な柱や天井、梁は建築当時のまま残されており、窓からは伝統的な日本庭園を眺めることができます。本館の隣には茶室もあります。1日1組限定で宿泊も受け入れています。
ランチは和食とフレンチを組み合わせたコース料理を提供しています(要予約、4800円)。コース内容は月替わりで、主な食材は地元で採れた地鶏、魚、野菜などです。

「時の象徴」である櫓のある母里のメインストリート
【左】「別邸 母里」のランチ。シチューをパイ生地で包んだヴォル・オ・ヴァンや、新鮮な魚のポワレ(バター焼き)、地鶏のクリームソース焼きなど。
【右上】幕末から明治にかけての政治家であり、剣術と書道の達人でもあった山岡鉄舟の書(右)。
【右下】畳敷きの和室と洋室のベッドルームがあり、バスルームも広々としています。(2名様1室で2食付き:45100円から)

宍道湖の南岸を西へ進むと平田町に着きます。かつては湖畔の町で、江戸時代から明治時代にかけて綿の流通・貿易の拠点として栄えました。L字型の道沿いには、白壁の蔵や奥に細長い建物が並びます。醤油や日本酒の醸造所のほか、空き家を改装した飲食店やホテルなどが集まっています。
なかには体験ツアーを開催しているところもあります。例えば「來間屋生姜糖本舗」では商品の包装作業を体験したり、「岡茂一郎商店」では醤油醸造所を見学するツアーがあります。
「來間屋生姜糖本舗」は1715年創業の菓子製造会社です。生姜糖とは、出雲市周辺の出西地区で収獲された出西生姜を使った砂糖菓子です。口の中で砂糖の甘みが広がり、同時に生姜のピリッとした辛みが感じられます。この体験ツアーでは、まずお皿に盛られた生姜糖を一口大に割り、小さな紙で包み、最後に箱に詰めていきます。
1897年創業の「岡茂一郎商店」は、醤油を木桶で2回発酵させ、1年半かけてじっくりと熟成させる「2度仕込み醤油」を製造しています。2度仕込み醤油は塩分濃度が高いですが、旨味が倍増しているのでそれほど塩辛くは感じられません。ツアーでは四種類の醤油を試飲でき、その違いに驚かされます。また、日本各地の醤油の特徴を学んだり、醤油を発酵させている樽の中を見学することができます。

【左】古い建物が並ぶ平田の木綿街道
【右上】看板が目印の「來間屋生姜糖本舗」の店舗(「來間屋生姜糖」と書いてある)
【右下】包装工程を説明する社長の來間 久さん
【左】木樽で醤油を発酵させながらかき混ぜる様子
【右上】醤油の種類の違いを説明する岡英人社長
【右下】「岡茂一郎商店」で販売されている醤油の瓶

木綿街道から徒歩わずか5分のところに日帰り温泉施設「いずも縁結び温泉ゆらり」があります。旅の疲れを癒すにはぴったりの温泉です。約160平方メートルの露天風呂や、檜造りの内湯、サウナ、食事処などがあります。温泉施設とサウナはすべて男女別です。
温泉はほんのり硫黄の香りがします。アルカリ性で肌がツルツルになります。加水や温度調節をしていない天然温泉を楽しめる数少ない施設です。

【左】日本庭園のような巨石を配した露天風呂
【右】内湯:浴槽だけでなく天井もヒノキ材でできている

翌日は出雲市に滞在して、出雲大社を訪れます。神社の鳥居まで一直線に続く神門通りの両側には、土産物店や飲食店が並んでいます。

松並木と石畳の道「神門通り」

出雲大社から北へ4キロほど狭い峠道を進むと、鷺浦と呼ばれる港町に着きます。 現在は人口180人ほどの小さな町ですが、かつては近くに銅山があり、寄港地として賑わっていました。日本海の交易ルートである「北前船」の航路では、この港に船が立ち寄りました。港沿いには石州瓦葺きの家々が建ち並びます。
町を歩いていると、年配の人たちが歩いているのみです。町には食料品店が1軒あるだけです。時代から取り残されたように見えますが、それが町に特別な魅力を与え、100年以上前の古い風情を今も保っています。
春から秋にかけて、天気の良い時期には、小型船で港を周遊するクルーズツアーが実施されます(3000円~)。船でしか入れない狭い洞窟ならではの、輝く澄んだ水の壮大な景色を楽しむことができます。

港を見下ろす丘からは、鮮やかな赤い屋根が見える
【左上】町内には築100年以上の古民家が今も残り、独特の建築様式が印象的です。
【左下】出雲大社の摂社、伊奈西波岐神社
【中央】1933年に地元の人たちが岩盤を手掘りで作ったトンネル
[右]「青の洞窟」とも呼ばれる洞窟の透明な海水

モデルコース

モデルコースマップ Episode6
  • 1日目Day 1第一天第一天1 일째

    米子空港

    車で1時間

    根雨

  • 2日目Day 2第二天第二天2 일째

    根雨

    車で35分

    母里

    車で1時間10分

    平田

    車で20分

    出雲市

  • 3日目Day 3第三天第三天3 일째

    出雲市

    車で20分

    出雲大社

    車で15分

    鷺浦

    車で40分

    出雲空港


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